よくあるご質問

四柱推命のQ&Aに加えて四柱推命で用いる用語とその概要をご紹介します。
十干・十二支を基本に数多くの用語があります。

四柱推命では干支(えと)が大切と聞きましたが、その本来の意味は何ですか?

干支とは、十干(じゅっかん)、十二支(じゅうにし)をいいます。これは符号で時の名称と理解して下さい。時の符号のほかに五行や陰陽、季節、方位、時間が割り当てられています。十干とは、元来、太陰暦の一ヶ月を上中下の3旬に分け、それぞれ1旬の各10日間につけた暦上の符号なのです。十干は毎年、毎月、毎日、毎時間についています。たとえば、甲の年、乙の月、丙の日、丁の時間(刻)という言い方をします。十二支とは、1年12ヶ月の季節に関係した暦上の符号です。十二支は、毎年、毎月、毎日、毎時間についています。たとえば、子の年、丑の月、寅の日、卯の時間(刻)という言い方をします。十干十二支は中国の紀元前1500年ごろ、殷王朝、周王朝の時に完成され、この二つを合わせた60進法を使い始めたのが周王朝の初代王の文王。易の八卦を発明したことでも有名です。3500年後の今日でも、この暦が使われているわけですので、古代中国人の発明がいかに卓抜したものかが分かります。

十干(じゅっかん)とは何ですか?

時の名称です。元来、太陰暦の一ヶ月を上中下の3旬に分け、それぞれ1旬の各10日間につけた暦上の符号なのです。十干は毎年、毎月、毎日、毎時間についています。十干は時の符号のほかに五行や陰陽、季節、方位、時間が割り当てられています。十干とは、音読みで甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)です。普通の読み方(訓読み)は、甲(きのえ)、乙(きのと)、丙(ひのえ)、丁(ひのと)、戊(つちのえ)、己(つちのと)、庚(かのえ)、辛(かのと)、壬(みずのえ)、癸 (みずのと)です。 「きのえ」とは「木の兄(え)」であり、「きのと」とは「木の弟(と)」です。「ひのえ」とは「火の兄」、「ひのと」とは「火の弟」です。以下、「つち」は「土」、「か」は「金」、「みず」は「水」で、同様に考えます。「兄」とは「陽」、「弟」とは「陰」です。 四柱推命では、十干の意味とその関係がとても重要です。

十二支(じゅうにし)とは何ですか?

二支とは、1年12ヶ月の季節に関係した暦上の符号です。十二支は、毎年、毎月、毎日、毎時間についています。 十二支は季節を示す暦上の符号のほかに五行や陰陽、季節、方位、時間が割り当てられています。読み方は子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、己(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)と訓読みで表します。1年12ヶ月はそれぞれ十二支で表し、十二支の陰陽五行は次のようになります。子→12月→陽水、丑→1月→陰土、寅→2月→陽木、卯→3月→陰木、辰→4月→陽土、巳→5月→陰火、午→6月→陽火、未→7月→陰土、申→8月→陽金、酉→9月→陰金、戌→10月→陽土、亥→11月→陰水

六十干支とは何ですか。六十干支のそれぞれの読み方も教えて下さい?

六十干支とは、干と支を組み合わせたものです。六十花甲と呼ぶ人もいます。六十干支は甲子から始まり、乙丑、丙寅……と干支を組み合わせていき、最後の六十番目に癸亥となり、六十一番目は最初の甲子になります。数学的にいえば、十干と十二支の組み合わせは10×12÷2=60通りとなります。六十干支の読み方は、甲子(こうね)、甲寅(こうとら)、甲辰(こうたつ)、乙亥(おつい)、乙丑(おつうし)、乙卯(おつう)、丙子(へいね)、丙寅(へいとら)、丁亥(ていい)、戊子(ぼね)、己亥(つちのとい)、庚子(こうね)、辛丑(かのとうし)、壬子(じんね)、癸丑(みずのとうし)と読みます。十干で音読みをする場合と訓読みをする場合がありますので注意してください。

四柱推命では、命式上の干支自体に吉凶はあるのでしょうか?

自分の命式の干支を見て、素直に天から与えられた個性、天賦の才能だと理解し、受け止めましょう。命式は、生年月日時が決まれば自ずと決定して変えることはできません。どんなに努力しても変えられない命式について一喜一憂しても人生に何の進歩もありません。むしろ、命式上のバランス(太過不及、乾湿)を見て、必要なものと不必要なものを判断し、最後に大運と年運を見て吉凶の年、月、日を判断するのが正しい看命の方法といえます。

四柱推命で使う用語について教えてください。

【四柱推命】
四柱推命(しちゅうすいめい)は中国で陰陽五行説を元に創られた人の命運を推察する方法。四柱推命という呼び方は関西から広がった日本独自の表現であり、中国の原書に見ることができない。中国では、「子平」「三命」「命学」「命理」「八字(パーツー)」などと呼ばれる。

【四柱】
四柱推命は生まれた年、月、日、時、の四つ干支を柱として、その人の生まれ持った可能性を推し量る推命学。それぞれ年柱、月柱、日柱、時柱という。

【命式】
誕生日を干支に置き換えて、生年・生月・生日・生時の4つの柱に組み立てたもの。男性の命式を男命、女性の命式を女命とし、運命の先天的な宿命や本来持っている運勢の出発点となりますので、原命式とも呼びます。

【月律】
同じ月に生まれても節入りから何日目に生まれたかで月ごとの運気のリズムが違うことを言う。

【蔵干】
地支となる十二支には余気、中気、本気という2つないし3つの干が含まれていることを指す。節入りから生日までの日数と時間から四柱の地支に含まれる蔵干を一つ引き出す。十二支の蔵干については、いくつかの説があるが、『星平會海全書』に掲載されている蔵干を採用することが多い。その蔵干の取り方は、子=(壬、癸)、卯=(甲、乙)、午=(丙、己、丁)、酉=(庚、辛)、丑=(癸、辛、己)、辰=(乙、癸、戊)、未=(丁、乙、己)、戌=(辛、丁、戊)、寅=(戊、丙、甲)、巳=(戊、庚、丙)、申=(己戊、壬、庚)、亥=(戊、甲、壬)となっている。大まかな日数の区切りをいうと、子、卯の蔵干2つの場合、節入りから10日までとそれ以降、午、酉は、節入りから10日までと10日から20日までとそれ以降。丑、辰、未、戌は節入りから9日までと9日から12日までとそれ以降。寅、巳、申、亥は節入りから7日までと7日から14日とそれ以降。月律分野蔵干の配分率については各書物により多少の差違がある。

【用神】
自分の生まれた日干(自分自身を意味)にとって最も有用な働きをする干支。用神を定めなければ自分の運勢の吉凶を判断できません。用神は本来、自分の命式中にあることを一番の喜びとします。命式中になければ、持って生まれた本来の運勢が余り良くないことを意味しますが、大運に用神が巡ってくれば開運するチャンスを得ます。

【格局】
本来の四柱推命の命式の中で一番強い力を持っている星が月の十二支で月支元命と言い、この月支の蔵干に付く通変星を採って格局とし、格局を使って用神を探し出します。格局を定めて用神を求める方法は格局を用神と間違える弊害を生じます。用神はあくまで日干にとって最も大切な星です。

【月令】
日干の強弱を見る一つの方法。月支は気候を表し、人間も地球上の万物も四季の影響を受けるので、気候を示す月の十二支は命式中の他の十二支に比べて非常に強い影響力を持つ特別な存在で月支元命と言い、その上の文字と下の文字を組み合わせて月令と呼びます。日干の五行と生まれ月の十二支の五行が同一であれば、月令を得ると言って自分自身の星は非常に強い力を持つ事になります。月令は日干だけでなく、生年・生月・生日・生時の柱の星全てに強い影響を与え、強めたり弱めたりして指令を出していますので月令と言います。旺(おう)は旺盛、勢いがあるという意味。相(そう)はやや強いという意味、衰(すい)は弱いという意味。四季には五行があり、春は木、夏は火、秋は金、冬は水、で土は各季節の最後の月)。日干の五行と同じ季節月に生まれていれば、「月令を得て旺ず」と呼びます。日干が甲、乙で春月生まれ、日干が丙、丁で夏月生まれなどです。次に良いのが日干を生じてくれる五行の季節月生まれで、甲、乙なら水なので冬月生まれ、丙、丁なら木なので春月生まれなど。これを月令相と呼び、この旺相に該当しない場合、月令を得ず「衰」という。月令を得ていなくとも、通変、十二運などで強く変化することもあります。

【大運】
一年が春夏秋冬と変化していくように人間の運勢も時と共に変化していくという考え方から運勢の変化を推測するために用いる手段。大運は原命式中から出発し、10年ごとに変化します。原命式の中で唯一、四季を感受する月の柱を出発点とし、命式を先天的素質、大運を後天的運勢として推命していきます。大運が自分にとって衰弱に向かう運なのか、開花期に向かう運なのかを用神の大運における強弱、旺衰の変化で判断する手がかりとします。

【歳運(年運)】
毎年2月の節入りから翌年の2月の節入日までの1年間に巡ってくる年の干支。大運のように10年間にもわたって威力を発揮することはありませんが、大運の作用を助長したり、反対に大運の作用に逆らったりして運勢に影響を及ぼします。

【通変星(変通星)】
日干に対して生年・生月・生時の天干と地支の蔵干がどういう意味を持つかを表わす用語で、星の代名詞。語尾に「星」を付け、比肩星、劫財星のようにも言われる。日本では「天干星」とも言われるが中国の原書にはこうした表現は一切見られない。四柱推命の通変星は比肩、劫財、食神、傷官、偏財、正財、偏官、正官、偏印、印綬の10種類です。通変星自体は最初から吉星、凶星があるわけではなく、吉凶はその力量、状態によって個別に考えていくべきです。

【蔵干】
十二支にはそれぞれ蔵干という十干を隠し持っています。その数は十二支によって違いますが、二つから三つあることになっており、いろいろと複雑な作用をします。天干を天元、地支を地元と言います。地支(十二支)に含まれ隠れて存在し、様々な働きをする十干が蔵干です。天干を天元、地支を地元と見なせば、蔵干は天地の間に存在する人間に例えることができるので蔵干を人元とも言います。四柱推命はこの三元で行うことから三命とも言われます。

【十二運】
四柱推命の十二運とは、長生、沐浴、冠帯、建禄、帝旺、衰、病、死、墓、絶、胎、養の12種の星。運勢の強弱を人間の成長過程を借りて名づけており、名称自体に吉凶はありませんが、運勢を見ていく時の補助星として判断を加えます。日本のほとんどの四柱推命の専門家は十二運を採用しているが、中国の原書に準拠し、一切採用しないという考え方もある。日干から日支にひいた十二運とある種の性格分類に相関があるという研究が心理学者でもあった増永篤彦によって行われ、これを基に新推命学を提唱した。この研究成果は後に「動物占い」の基礎となり、動物占いやその多数のエピゴーネンによって流用されている。

【吉凶判断】
四柱推命では四柱八字の構成から扶抑、調候、清濁を論じて扶抑用神、調候用神、病薬用神を見る。これらの用神からどんな状況でも自分にとって吉の作用を持つ用神を出し、用神を軸にして本来の特性や巡ってくる運勢の吉凶を判断する。この用神を特に真用神と呼ぶことがあります。

【身旺・身弱】
日干を自分として日干以外の星から助けてくれる星が多いものを身旺(みおう)、日干が他の星の助けを受けていないものを身弱(みじゃく)と言います。身旺と身弱は最強から最弱までそれぞれ6段階に分けることができますが、大きく分けて平均より強いものを身旺、平均より弱いものを身弱と考えれば十分です。身旺の人は活動力があって社会進出して活動しやすく、身弱の人は活動力が不足しています。しかし、身旺に過ぎるのは良くなく、身弱に過ぎるのも様々な問題を生じます。

【外格】
四柱推命の格局は大別すると、普通格局法(内格)と特別格局法(外格)の二種類があります。外格には従児格、従財格、従殺格などの従格と呼ばれるグループと強旺格、化気格、両神成象格などのグループがあり、これらは全て命式中の十干五行の力量が一方に偏っていてバランスを失い、理外の理が働いている命式です。これらは格局と名前はつけられていますが、普通格局とは基本的に全く違った考えから成立しています。五用神法のうち、専旺用神法、通関用神法を用いなければならず、単に内格に対して外格と区別しているだけで直接命式の構造から用神を求める点など内格よりも進化した判断法。

【内格】
格局の中の普通格局法。食神格、傷官格、正財格、偏財格、正官格、偏官格、印綬格、偏印格がある。内格の場合、日干が強いにもかかわらず格局が日干をさらに強くしたり、逆に日干が弱いにもかかわらず格局が日干を弱めることがある。

【独象】
従旺格や一行得気格など、日干旺盛になっている格

【両神成象格】
通関用神という特殊な用神を採用した格局法。存在自体を疑問視すする研究者もいる。

【扶抑用神法】
四柱推命の命式中で不及している星は扶助し、命中に大過する星は剋や漏気して抑制し、命式中の五行・十干を中和して平衡を得ようとするもの。その助ける星、抑える星を用神と定める方法。

【通関用神】
四柱推命の命式中に二つの五行の星が同等の力量で対立、あるいは相生の関係でできている時、その二行の気を流通させる星をもって用神とします(両神成象格という特殊な命式にのみ使われる用神)。

【病薬用神】
病とは命式中にあって忌神となっている星で、薬とは、それを中和する働きをする星。扶抑用神や調候用神を尅す作用のある干や支が四柱八字内にある場合や凶の格局を尅す干や支が四柱八字にない場合、濁と呼ぶ。その原因となっている干や支を病とします。病の干や支を尅す干が薬。薬があれば四柱八字は清となります。薬を病薬用神と呼びます。その源流は『神峯通考・命理正宗』の著者・張神峯に始まります。病薬用神は広義で取ればあくまで扶抑用神であり、特別のものではありません。

【専旺用神】
四柱推命の命式中の五行が一方に偏っている場合、その気勢に従わねばならない場合にのみ用いる用神法。一行気得格、強旺格、化気格などにのみ用いる用神法です。

【調候用神法】
十干のそれぞれの特性に従って季節の寒暖燥湿の状態に合わせて用神を定める方法。この用神法は広義の意味では病薬用神も扶抑用神もこの用神法にすべて適用されます。調候用神が扶抑用神と一致するとは限らないため、用神という概念さえ疑問視する考え方もあります。

【喜神、忌神、仇神】
喜神は用神を助けて補佐する星。忌星は命式中で一番忌むべき働きをする星で用神と対立相剋する関係となっている場合が多い。仇神は忌神を生じる関係の星でこれら三つの関係を良く見定める必要があります。

【接木運】
30年ごとの大運の変わり目です。大運は季節の変化を表し、四季を示す地支を重視しています。大運地支も寅卯辰、己午未など季節のまとまりがあり、春の運から夏の運、冬の運から張るの運など、大運の変わり目があります。接木運にかかると、たとえ悪い運から良い運に変化する運であっても前後3年間ぐらいは注意を要します。植物を接木した場合、接木して間もなく大風が吹けば、木と木がまだ良く繋がっていないので、折れやすくなっている時期と考えれば分かりやすい。

【干合】
十干同士がそれぞれ手を結び合うこと。それ以外にも命式中や大運などと結びついて様々な作用を起こします。元来、陽干が陰干を剋する関係なので、時として一方から他方の力量を弱めたり、その作用を無力化したり、時には変化して他の十干の力量に変わって、運勢に重大な影響を与え、実践鑑定で千変万化の姿を見せる。干合には甲己(中正の合=土行)、乙庚(仁義の合=金行)、丙辛(威制の合=水行)、丁壬(淫逸の合=木行)、戊癸(無情の合=火行)。

【干合の5種類の作用】
干合してある一定の条件(化する五行が大旺する)を備えていれば、別の五行に変化し、陰干は陰の五行に変化し、陽干は陽の五行に変化します。典型例が化気格(一定条件を満たさないと変化できない)。命式以外にも命の中の星と大運が干合して他の五行に変化すると命式中の星の力量が変化します。具体的には、甲(陽干)-己(陰干)→土、乙(陰干)-庚(陽干)→木、丙(陽干)-辛(陰干)→火、丁(陰干)-壬(陽干)→金、戊(陽干)-癸(陰干)→水となります。日干と干合する十干が月干や時干など、日干の隣にあると精神力、決断力を損ない、色情型の命式で丁と壬の干合を見る時は特別な色情関係が発生します。また、干合する星が一対一の時は干合と言いますが、一対二の時は妬合(とごう)と言い、命式の構造によっては三角関係や財の争いを起こすことも考えられます。

【妬合】
一つの陰干と一つの陽干が正しく干合すれば夫婦の象となりますが、「二つの陰干」と「一つの陽干」、または「二つの陽干」と「一つの陰干」が干合すれば夫婦関係は乱れる象となり、凶の作用になります。

【支合】
地支同士が仲良く手を結び合う関係を支合または六合(りくごう)と呼びます。子と丑、寅と亥、卯と戌、辰と酉、巳と申、午と未です。

【方合】
季節の表す十二支が三つそろったケース。東方、南方、西方、北方というように同一方位に賊する三支が団結して成立するので結びつきは方合、三合、支合の中で一番強い団結力を持つもので、生月の季節を重視する調候用神法でさえ季節すら変える力量を持つことがあります。方合は三合と違い、二支があれば方合半会の力量を持ちます。具体的な方合は亥-子-丑(水行)、寅-卯-辰(木行)、巳-午-未(火行)、申-酉-戌(金行)です。

【三合】
団結した強くなる局の五行から見て、長生、帝旺、墓にあたる十二支で構成され、三支が集まって非常に強い力量となることを言います。方合に次ぐ力量となります。三合する十二支がそろうと、「会局する」と言います。具体的には亥-卯-未(木局)、寅-午-戌(火局)、巳-酉-丑(金局)、申-子-辰(水局)です。

【三合半会】
三合となる十二支がすべてそろわなくても、その中の帝旺となる十二支を含んで二支があれば、三合会局に次ぐ力量を持っていると見ます。帝旺となる十二支を含まずに三合の支が二つある場合は、半会としての力量を現在は持たず、大運や年運で三合会局が完成した時にその力量が強化されます。

【冲】
地支同士が争い合う関係。十二支を時計回りに数えて7番目の十二支との関係が冲(ちゅう)となりますので七冲とも言います。冲には仲の悪い作用と相手の十二支を弱める作用があります。具体的には午と子、未と丑、申と寅、酉と卯、戌と辰、亥と巳です。

【朋冲】
土性支同士の冲。実際は陰陽の争いになっています。

【貪冲】
冲になって二支が無力化すること。

【冲開】
土の十二支同士にのみ生じる特殊な作用。土の十二支同士が隣同士にあって冲となれば、蔵と蔵がぶつかり合って扉を開くように、地支の中の蔵干が出やすくなります。この冲開によって土同士の十二支に限り、冲することを喜びとします。土の五行は大地の象をなぞらえているので、万物を収蔵する作用が強い。元来、丑辰未戌の十二支の蔵干は土中に埋没し、出てきて作用しにくいのですが、これらが隣同士になれば、地支の蔵干が出やすくなり、喜びとします。

【刑】
運命の変化を推量するには用いず、宿命的な要素を見るもので、四惑十悪と称するもの。運勢を見る上では微弱な作用であり、無視してもさしつかえない。以下の十二支の組み合わせがすべてそろった時に刑が成立します。寅-巳-申、丑-戌-未、子-卯。自刑は辰-辰、午-午、酉-酉、亥-亥です。

【害】
刑と同様、微弱なもので、運命を見るにはまったく気にしなくて良い。宿命的な要素を見る時にだけ使う。害になるは、酉-戌、申-亥、未-子、午-丑、巳-寅、辰-卯の6通りの組み合わせがあり、六害とも言います。子-未の六害は当たる確率が高いと言われますが、さほど重要ではありません。

【十二支同士の関係】
四柱推命では天干の相生、相剋の働きと同時に地支の作用を重要視します。地支の作用には支合、三合、方垣合と刑、冲、害などがあります。命式上の天干が吉であっても地支が冲していれば吉としての働きがなくなるか、減殺されて弱くなってしまいます。命式中の地支と大運や年運の地支が冲すれば身辺の移動が生じたり、不測の事態に見舞われたりします。命式中に刑冲害があって大運と重なったり、年運と重なるとこのような現象が必ず表れます。

【空亡】
十干と十二支が結びついていくと必ず二つの余りが生まれ、この余った地支が空亡です。あくまで宿命的な暗示であり、運命的な判断や名刺委の力量、用神の取り方には関係がありません。空亡は日柱から命式の十二支を見て定めます。年支が空亡の場合、祖先の位置が空亡するので、祖先が力にならず、祖地を離れる暗示があり、祖先の時代に家が傾いた可能性があると見ます。月支が空亡する場合、実家や父母が自分にとって力にならないか実家の父母の運が落ちる暗示があります。時柱の十二支が空亡する時は、子供があてにならない暗示。結婚の相性で互いの日柱の十二支が自分の日柱から見て空亡同士となる時は、夫婦生活のタイミングが合わず、注意すべきと見る(泰山流)。結婚の相性で相互の日柱が六十花甲子表の同一の柱の中にある時は、同循空亡と称して良い相性と見ることがある(泰山流)。

【サマータイム】
戦後の一時期、日本は米国軍の占領下になり、サマータイムという時間法が用いられました。夏の期間5月4日~9月13日の期間に行われた時間法で、実際の長さより1時間進めたもの。施行期間は昭和22年から26年までの期間で、この期間に生まれた人は生まれた時間を1時間遅くして正しい時間に戻す必要があります。

【通根】
四柱推命の命式で天干が地支に根を持つこと。天干から地支に通じること。通根は生まれた月(月令)に通根するものが力量的に一番強く、月令を得ていないものでも大運などに通根する時は非常に強い力量を持つようになります。天干にとって通根は近いところに通根する方が強く、遠く離れている十二支に通根するのでは、その力は弱い。一つの十二支は一つの天干しか通根できないわけではありません。大半は一つか二つの五行が通根することができますが、最大限一つの十二支に三種の五行の天干が通根することもあります。根があれば植物はしっかり大地に根を張って強い勢いを得ますが、根がなければ少しの力を加えるだけで大地から抜けてしまいます。日干と天干の強弱と通根の作用は密接につながりを持っています。鉄板と鉄板をつなぐ時にボルトとナットで締めれば、ボルトだけでは抜けてしまって外れますが、ボルトとナットが結びつけば外れることがなく強度が増すのと同じです。天干が通根するのは、地支の蔵干に天干と同一五行の星があることを言い、地支に根がない天干は無根と言って浮いてフラフラ揺れているようなものです。通根は地支蔵干に含まれている十干にすべて関わりがあり、節入日の深浅には関係ありません。

【透干】
地支の蔵干中にしかない星が大運や年運で天干に現れた場合を言います。地支から見て天干に通じること。透干は填実とも言い、地支に潜んでいる可能性など、星の持っている作用が実現できることがらとして現れてくる作用。

【通根の作用】
天干に表れている星(通変星)は起こりうる現象の気配であり、可能性です。この星が現実の事柄として運勢的な変化を起こしたり、ただの可能性から現実の現象として実際に作用するためには、通根してくるエネルギーが必要。反対に地支にある星の力は現実の方向性を持たないエネルギー、可能性を意味します。四柱推命の鑑定では、最初に天干(特に我が身を表す日干)の気勢が強いか弱いかを見るのですが、その時に根があるかどうかで天干の気勢の強さを調べます。財星が喜神となる人の場合、地支に財星になる五行があれば大運や年運の天干に財星の巡ってくる時 期に非常に良く儲けられる現象が起こると判断し、その時期の開業を勧めます。未婚女性がいつ結婚できるかを判断する場合、命式中の天干に官星があっても通根せずに弱性となっている時に官星が通根して実行力を発揮してくる時期を判断します。

【十二支のそれぞれの根としての作用(五行)】
子(水)、丑(水、金、土)、寅(木、火)、卯(木)、辰(木、水、土)、巳(火、金)、午(火)、未(火、木、土)、申(金、水)、酉(金)、戌(金、火、土)、亥(水、木)

【十干と通根できる十二支】
天干は十二支に通根するのではなく、十二支の中の蔵干に通根します。蔵干の節入日から生日までの深浅によって出てくる蔵干という意味ではなく、十二支の持っている蔵干すべてに通根する可能性があります。しかし、十二支中の蔵干も季節や蔵干同士の相生相剋によっては通根できない蔵干も出てきますし、三合や方合によって十二支の性惰が変化し、一方に偏って団結し、他の五行が通根できないこともあります。
具体的には、子(蔵干は壬癸)に通根できる十干は壬、癸。丑(蔵干は癸辛己)に通根できる十干は壬、癸、庚、辛、戊、己。寅(蔵干は戊乙甲)に通根できる十干は甲、乙、丙。卯(蔵干は甲乙)に通根できる十干は甲、乙。辰(蔵干は癸乙戊)に通根できる十干は壬、癸、甲、乙、戊、己。巳(蔵干は戊庚丙)に通根できる十干は丙、丁、戊、己です。午(蔵干は丙己丁)に通根できる十干は丙、丁、戊、己。未(蔵干は丁乙己)に通根できる十干は丙、丁、戊、己、甲、乙。申(蔵干は戊壬庚)に通根できる十干は庚、辛、壬、癸。酉(蔵干は庚辛)に通根できる十干は庚、辛。戌(蔵干は辛丁戊)に通根できる十干は丙、丁、戊、己。亥(蔵干は戊甲壬)に通根できる十干は壬、癸、甲、乙です。

【淵海子平】
唐の末期、徐大升によって著された中国占術の源と言われる推命術書。漢学者であった桜田虎門が正徳年間(1711~16)に渡来していた中国唐末の原書「淵海子平」を翻訳し、「推命書」三巻として出版して初めて日本に紹介された。

【徐子平】
今をさかのぼる1100年代、南宋の人。本名は徐居易。命学の祖といわれる。

【滴天髄】
四柱推命の聖典と呼ばれる書。1368年ごろ、明の軍師・政治家であった劉基が著して註したとされるが、原文は作者不詳。註は劉基によるもの。

【星平会海全書】
星曜系(占星術)と干支系(子平)の占術に関する文献を集成した百科全書。武當山月金山人霞陽水中龍編集。

【体と用】
主体と対象のこと。日干が体で月支が用。日干が体で用神が用。

【用神】
八字の中で最も命が必要となる干や支。

【用喜】
用神と喜神。

【薬】
命を傷つける病を制する干や支。

【病薬】
命を傷つける神が病。それを除去する神が薬。

【燥】
八字に金水が少なく乾いた陽の状態。

【一行得気格】

外格の一つで「専旺」とも呼ばれる。一行に偏った命。

【印綬格】
日干から月支の本気を見て印綬となる格。

【炎上格】
丙丁日で午月寅戌、または巳午月で巳午未において水の干支のない命を「専旺」といって特殊な格とした。日本では「一行得気格」の一種。

【化格】
化気格。八字の気勢に圧されて、その上たまたま化す条件にあった場合、日干が我を棄てて成立した格。

【建禄格】
建禄が月令となっている格。

【季月格】
戊己日干で月支の本気が土性の命。

【棄命従旺格】
外格の一つ。日干を消耗させる五行に従する命、従児格、従財格。

【下格】
位相の低い格。

【旺運】
大運にめぐる日干の根となる運。

【旺強】
月令を得ていてかつ強いこと。

【旺殺】
月令を得て強力な官殺のこと。

【旺ずる】
月令を得ていること。

【原局】
八字のこと。

【四季月】
土性支の月。

【晦火】
火を暗くして火の役目を消すこと。

【火炎土燥】
太過の火が土を乾かして燥土にすること。

【金多水濁】
水にとって生ずる金が多すぎてかえって水をダメにすること。

【水多金沈】
金から生じられる水が大過して水がダメになること。

【水蕩騎虎】
水が多く甲木が浮木とならないように寅があれば納水すること。

【火炎土燥】
大過の火が土を乾かして燥土にすること。

【藤羅繁甲】
乙木が甲の大木にツルを巻きながら伸びていく様子。

【浮木】
助けてくれる印の水が逆に多すぎて木が浮いてしまって役に立たないこと。

【埋金】
生ずる印の土が多すぎて金が埋もれること。

【塞水(そくすい)】
水の流れを塞いで発展性がなくなること。

【合去】
干合や支合で二者が無力化すること。

【干の法則】
干合で去となること。

【透る】
天干に出ること。

【季月】
辰未戌丑など土性支の月。

【官殺】
通変星の正官と偏官のこと。

【喜神】
命に良い働きをする干と支や五行。

【忌神】
命に悪い働きをする干と支や五行。

【吉神】
その命にとって最も喜びとなる干と支。

【凶神】
その命にとって最も忌となる神(干や支)。

【仇神】
薬となるよき神を制す神。

【局】
三合のこと。

【殺】
偏官のこと。

【四季月】
土性の月のこと。

【四生】
寅巳申亥のこと。生旺墓絶で長生となる支。

【四正】
卯午酉子のこと。生旺墓絶で帝旺となる支。

【四墓】
辰未戌丑のこと。生旺墓絶で墓となる支。

【囚】
旺の五行を剋す関係になっていること。力量は旺、相、休の次のレベル。

【近貼】
隣に並ぶこと。

【月令】
月気の令。その月の気を支配する力。

【月令を得る】
生月が支配する強い気を得ること。

【死令】
旺令の逆、旺の五行が剋す五行。

【秀気】
強弱で一概に表せない独特の喜となる気。

【食傷】
通変星の食神と傷官。

【官殺】
通変星の偏官と正官。

【食神制殺】
食傷が官殺を抑えて身を守ること。

【生旺墓絶】
十干が十二ヶ月を巡る間の変遷を仮に表した表現。

【比劫争財】
強い比肩や劫財が財を奪い合う関係。

【比劫旺強】
日干が大強になること。

【会】
局、三合のこと。

【解】
合や冲が成立したものを解いて元にもどすこと。

【看命】
本来の四柱推命で人の命運を推し量ること。

【命】
誕生した生年月日時で決まる先天的な運命を表す八字。

【当生太歳】
命の年干支。生年のこと。

【桜田虎門】
四柱推命は日本には江戸時代中期に移入され、文政年間、仙台の儒学者桜田虎門が『推命書』という名称で『淵海子平』の訳本を出したのが最古の書。だが、桜田虎門は四柱推命に対する専門知識がなかったとも言われており、翻訳の質の点では疑問も残る。

【泰山流】
関西の阿部泰山の流派。蔵干を見る。大運は最初以外は10年ずつで判断。

【高木乗流】
関東の高木乗の流派。安田靖が受け継いだので安田式とも呼ばれる。大運は最初の周期を繰り返し、地支より天干を重視する。

【武田流】
武田考玄の流派。中国の原書のみを元にして日本のどのの流派にも属さず、学問として推命を確立することを目指していた。

【小山内式】
武田考玄と同様に学問として推命を確立することを目指す。十二運、用神、調候、格局などを無用のものとして排除し、五行と通変のみを重視している。

【明澄透派】
張耀文(13代掌門)の門派。14代掌門は台北市在住の黄文徳。

【陰陽五行】
中国の春秋戦国時代ごろに発生した陰陽思想と五行思想が結び付いて生まれた思想のこと。陰陽五行説、陰陽五行論ともいう。陰陽思想と五行思想との組み合わせによって、より複雑な事象の説明がなされるようになった。西洋の四大元素説(四元素説)と比較される考え方。日本には仏教や儒教と同じく5~6世紀に暦法などと共に伝わり、律令により陰陽寮という役所が設置された。その後、道教の道術を取り入れて陰陽道へと日本独自の発展を遂げた。

【陰陽】
陰陽思想は古代中国神話に登場する帝王「伏羲」が作り出したものであり、全ての事象は、それだけが単独で存在するのではなく、「陰」と「陽」という相反する形(例えば明暗、天地、男女、善悪、吉凶など)で存在し、それぞれが消長をくりかえすという思想。

【五行】
夏の創始者「禹」が発案したもので、万物は木・火・土・金・水の5種類の元素から成り立つとする考え方。5種類の元素は『互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環する』という考えが根底に存在する。後に斉の陰陽家鄒衍により5つの惑星とさらにその後様々な事象と結び付けられ、陰陽思想と五行説が統合されて観念的な陰陽五行思想として完成した。

【木(木行)】
木の花や葉が幹の上を覆っている立木が元となって樹木の成長・発育する様子を表す。「春」の象徴。

【火(火行)】
光り煇く炎が元となっていて火のような灼熱の性質を表す。「夏」の象徴。

【土(土行)】
植物の芽が地中から発芽する様子が元となっていて、万物を育成・保護する性質を表す。「季節の変わり目」の象徴。

【金(金行)】
土中に光り煇く鉱物・金属が元となっていて金属のように冷徹・堅固・確実な性質を表す。収獲の季節「秋」の象徴。

【水(水行)】
泉から涌き出て流れる水が元となっていて、これを命の泉と考え、胎内と霊性を兼ね備える性質を表す。「冬」の象徴。

【五行の相生相剋】
相手の要素を補い、強める影響を与えるものを「相生」、相手の要素を抑え、弱める影響を与えるものを「相剋」。注意しなければならないのは「相生」は相手を強めるので常に良い、「相剋」は相手を弱めるので常に悪いという捉え方ではない点にある。相剋の中にも相生がある。例えば、土は木の根が張ることでその流出を防ぐことができる。水は土に流れを抑えられることで谷や川の形を保つことができる。金は火に熔かされることで刀や鋸などの金属製品となり、木は刃物によって切られることで様々な木工製品に加工される。火は水によって消されることで一切を燃やし尽くさずにすむ。逆に相生の中にも相剋がある。木が燃え続ければ火はやがて衰える。水が溢れ続ければ木は腐ってしまう。森羅万象の象徴である五気の間には、相生・相剋の2つの面があって初めて穏当な循環が得られ、五行の循環によって宇宙の永遠性が保証される。相生相剋には主体客体の別があるため、自らが他を生み出すことを「洩(泄)」、自らが他から生じられることを「生」、自らが他を剋すことを「分」、自らが他から剋されることを「剋」と細かく区別することがある。

【相生】
「木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生ず」という関係を五行相生という。木は燃えて火になり、火が燃えたあとには灰(=土)が生じ、土が集まって山となった場所からは鉱物(金)が産出し、金は腐食して水に帰り、水は木を生長させるというように木→火→土→金→水→木の順に相手を強める影響をもたらすということが五行相生。順送りに相手を生み出して行く、陽の関係。木生火(木は燃えて火を生む)、火生土(物が燃えればあとには灰が残り、灰は土に還る)、土生金(鉱物・金属の多くは土の中にあり、土を掘ることによってその金属を得ることができる)、金生水(金属の表面には凝結により水が生じる)、水生木(木は水によって養われ、水がなければ木は枯れてしまう)となる。

【相剋】
「水は火に勝(剋)ち、火は金に勝ち、金は木に勝ち、木は土に勝ち、土は水に勝つ」という関係を五行相剋という。水は火を消し、火は金を溶かし、金でできた刃物は木を切り倒し、木は土を押しのけて生長し、土は水の流れをせき止める、というように、水は火に、火は金に、金は木に、木は土に、土は水に影響を与え、弱めるということが五行相剋。相手を打ち滅ぼして行く陰の関係。木剋土(木は根を地中に張って土を締め付け、養分を吸い取って土地を痩せさせる)、土剋水(土は水を濁し、土は水を吸い取って常にあふれようとする水を堤防や土塁等でせき止める)、水剋火(水は火を消し止める)、火剋金(火は金属を熔かす)、金剋木(金属製の斧や鋸は木を傷つけ、切り倒す)となる。

【比和】
同じ気が重なると、その気は盛んになる。その結果が良い場合にはますます良くなり、悪い場合にはますます悪くなる。

【相侮】
侮とは侮るということで相剋の反対。つまり、反剋する関係にある。木侮金(木が強すぎると、金の克制を受け付けず、逆に木が金を侮る)、金侮火(金が強すぎると、火の克制を受け付けず、逆に金が火を侮る)、火侮水(火が強すぎると、水の克制を受け付けず、逆に火が水を侮る)、水侮土(水が強すぎると、土の克制を受け付けず、逆に水が土を侮る)、土侮木 (土が強すぎると、木の克制を受け付けず、逆に土が木を侮る)、火虚金侮(火自身が弱いため、金を克制することができず、逆に金が火を侮る)、水虚火侮(水自身が弱いため、火を克制することができず、逆に火が水を侮る)、土虚水侮(土自身が弱いため、水を克制することができず、逆に水が土を侮る)、木虚土侮(木自身が弱いため、土を克制することができず、逆に土が木を侮る)、金虚木侮(金自身が弱いため、木を克制することができず、逆に木が金を侮る)となる。

【相乗】
乗とは陵辱すること。相剋が度を過ぎて過剰になった状態を指す。木乗土(木が強すぎて、土を克し過ぎ、土の形成が不足する)、土乗水(土が強すぎて、水を克し過ぎ、水を過剰に吸収する)、水乗火(水が強すぎて、火を克し過ぎ、火を完全に消火する)、 火乗金(火が強すぎて、金を克し過ぎ、金を完全に熔解する)、金乗木(金が強すぎて、木を克し過ぎ、木を完全に切り倒す)、土虚木乗(土自身が弱いため、木剋土の力が相対的に強まって、土がさらに弱められる)、水虚土乗(水自身が弱いため、土剋水の力が相対的に強まって水がさらに弱められる)、火虚水乗(火自身が弱いため、水剋火の力が相対的に強まって火がさらに弱められる)、金虚火乗(金自身が弱いため、火剋金の力が相対的に強まって金がさらに弱められる)、木虚金乗(木自身が弱いため、金剋木の力が相対的に強まって木がさらに弱められる)となる。

【旺相死囚休】
月支の五行が旺で最も強く、次に旺の五行が生じる五行を相といい、旺を生じられるのが休、旺を刻すのが囚、旺から剋される死の順に力が弱くなる。

【節入り】
四柱推命を初めとする陰陽五行説の暦をもとにした占いは、立春を一年の始まりとしている。また月の始まりも1日ではなく、二十四節気のうち月の前半に来る十二の節が月の始めになる。年によって違うが、おおむね5~8日。月の節入り(せついり)という。各月の節入りは立春(2月4日頃)、啓蟄(3月6日頃)、清明(4月5日頃)、立夏(5月5日頃)、芒種(6月6日頃)、小暑(7月7日頃)、立秋(8月8日頃)、白露(9月8日頃)、寒露(10月8日頃)、立冬(11月7日頃)、大雪(12月7日頃)、小寒(1月5日頃)です。

【四神相応(しじんそうおう)】
天の四方の方角を司る「四神」の存在に最もふさわしいと伝統的に信じられてきた地勢や地相。四地相応ともいう。四神の中央に「黄竜」(おうりゅう)、あるいは麒麟を加えたものが「五神」(ごじん) と呼ばれている。ただし現代では四神と現実の地形との対応付けが中国や韓国・北朝鮮と日本では大きく異なっている。中国や韓国、北朝鮮での風水における四神相応は、背後に山、前方に海、湖沼、河川の水(すい)が配置されている背山臨水の地を左右から砂(さ)と呼ばれる丘陵や背後の山よりも低い山で囲むことで蔵風聚水(風を蓄え水を集める)の形態となっているものを指す。この場合、四神は背後の山が玄武、前方の水が朱雀、玄武を背にして左側の砂が青龍、右側が白虎。

四柱推命では「十干」はどういった意味があるのですか?

【甲(きのえ)】陽
甲木は山や大地に聳え立つ大木(樹木)とみます。 大きく育った大木は庚金(斧)を用いて伐採し、役に立つ棟梁の材と成すことです。(家の棟..むね、梁..はり)のことです。 庚金の斧が良く切れるようにするには丁火で焼きを入れて鋼をいれます。日主が甲木の場合は「庚と丁」がある事が看命の基本になります。

【乙(きのと)】陰
乙木は田園に咲く優しい草花又はつる草とみます。乙木が育つためには適度な太陽の火(丙)と天然の雨水(癸)が必要です。 乙木はいくら集まっても天に向かって伸びることはありません。天に向かって伸びるためには甲木に巻き付いて伸びる必要があります。これを藤蘿繋甲(とうらけいこう)と言います。日主が乙木の場合は「丙と癸」これが看命の基本になります。

【丙(ひのえ)】陽
丙火は壮烈な太陽の火とみます。 太陽の火は季節によって強くなったり弱くなったりします。夏は太陽の火炎が強いので水の配合を必要とします。冬は太陽の火が弱くなるので、太陽の火を映しその光を照らし出す壬水(大河の悠々と流れる水)を必要とします。 日主が丙火の場合は「壬」これが看命の基本になります。

【丁(ひのと)】陰
燈火や薪炭のような人工の火とみます。 太陽の丙火と異なり、人工の火ですので必ず薪の燃料を必要とします。火の燃料としても最も適しているのは甲木で、次に乙木です。 乙木は枯れ草の様なものですから一瞬に燃えつきてしまいます。すなわち熱しやすく冷めやすいとなります。甲木は庚金によって伐採されて薪になりますので、甲木があれば永続して丁火が燃えることになります。 日主が丁火の場合は「甲と庚」これが看命の基本になります。

【戊(つちのえ)】陽
戊土は山や大地や堤防の土とみます。 山には樹木があって森をなさないと「霊」が無く生き物が育ちません。 大地に水を与えて湿土に変えれば木が育ちます。日主が戊土の場合は「甲と癸」これが看命の基本になります。

【己(つちのと)】陰
己土は田園や畑の湿った土とみます。植物など万物を育むおおらかさと優しさと度量があります。 湿田に水気が無ければひび割れを起こします。湿田で万物を育む場合は丙火の太陽も必要です。 日主が己土の場合は「癸と丙」これが看命の基本になります。

【庚(かのえ)】陽
庚金は荒々しい剛金、斧とみます。 従って甲木を切り倒すのに使われます。 鉱物である金が斧という形になるには丁火で焼き入れをする必要があります。 丁火が力強く燃えるには甲木の燃料が必要です。日主が庚金の場合は「丁と甲」これが看命の基本になります。

【辛(かのと)】陰
辛金は加工された優しい貴金属とみます 。指輪とか貴金属のような精練されて美しく清い軽い金です。 従って辛は輝くことが必要ですので、流れ水で洗う事が必要があります。 日主が辛金の場合は「壬」これが看命の基本になります。

【壬(みずのえ)】陽
壬水は大河に悠々と流れる水や湖水とみます。 水は力強く流れていれば清いのです、源遠流長と言います。 従って春夏の季節に生まれた人は水が枯渇する可能性があるので、水と水源である庚金を必要とします。 秋冬の季節に生まれた人は水が旺じて氾濫する恐れがあるので、戊土を以って制する必要があります。己土では水が濁ってしまうだけで役には立ちません。 日主が壬水の場合は「壬と戊」これが看命の基本になります。

【癸(みずのと)】陰
癸水は天然に降る雨や雪や小川の水とみます。 天然の雨は大地を潤し、暑さを緩和します。 従って春夏の季節に生まれた人は、雨の精が柔弱であるため庚辛金の水源を必要とします。日主が癸水の場合は「壬と金」これが看命の基本になります。

「印綬」や「食神」という星を目にしますが、どんな意味ですか?

比肩(ひけん)
日干と同じ五行で、陰陽が同じもの。日干甲なら甲、乙なら乙が比肩。 比肩らしくとことんまで極めるプロ意識が旺盛ですが意外と温厚で品位があり和平を好みます。不正やごまかしを嫌い自力で開運し、自分にも厳しい反面他人にも厳しい。自分で経験し納得したものでないと認めない徹底さがあります。独立、自由業、金融業といった自由に采配がふるえる職業が向いていますが、ガツガツとお金を扱うと大失敗する可能性があります。その能力が悪い方面に表れると、クセが強く人との折り合いが下手で何事もやりすぎるといったことになりがちで、孤立無縁になってしまう可能性もあります。

劫財(ごうざい)
日干と同じ五行で、陰陽が違うもの。日干甲なら乙、乙なら甲が劫財。強烈な個性の持ち主で信念の人です。とにかく自分が納得するまで利害に関係なくとことんまでやってしまう傾向があります。集中して物事を開拓する強さはありますが、金銭的な感覚には欠けていて、大きな財を扱うのは不得手です。人間の表と裏がないので人に安心を与えますが、意外と騙されやすく、大きな財を失うことも多いようです。その能力が悪い方面に表れると、極端な思想や活動に走ることもあり要注意です。また、自分の欲望のために貪欲に際限なく、やりすぎてしまう傾向があります。

食神(しょくしん)
日干が生じる五行で、陰陽が同じもの。日干甲なら丙、乙なら丁が食神。お金を生み出す源の星です。つまり自分の腕一本でやっていく技術者タイプで、人の管理や長としてのタイプではありません。比較的温厚で外見は大変にこやかで、人とことを荒立てるといったことは好みません。勤勉に働くといったタイプではなく、ゆったりと人生を送る傾向です。その能力が悪い方面に表れると、目の前に利益に汲々して自分を忘れて危険をおかしてまでも利益を得ようとします。他人の迷惑を考えずに自分の主張を頑固に通すといった傾向もあります。

傷官(しょうかん)
日干が生じる五行で、陰陽が違うもの。日干甲なら丁、乙なら丙が傷官。社会面では独特の個性と才能と頭脳、慎重さで成功していく人が多いのですが、本音は人に見せない傾向があります。知恵があり、弁舌もさわやかで闘争心を内に秘めていますから激烈な競争分野でも生き抜いていけるタイプです。技能やスポーツなどの世界で才能を発揮します。その能力が悪い方面に表れると、自分を押さえる官星を破る星ですから、まるで自分の発言や行動に押さえが利かず、人の迷惑を考えずに行動してしまう傾向があります。節操がなくなり、無軌道になってしまう傾向もありますので注意が必要です。

偏財(へんざい)
日干が剋す五行で、陰陽が同じもの。日干甲なら戊、乙なら己が偏財。具体的にお金や品物が動く世界で実力を発揮します。大きな組織の管理された環境では才能が発揮されず転職をする人が多いのが特徴です。中小の企業などである程度自由にやれる環境で初めてその才能が発揮できます。趣味が豊かで好奇心が旺盛ですが、物欲や性欲や飲食欲に支配されないように注意が必要です。現実感覚に優れ社交性があり、何より心の度量が大きいものがあります。その能力が悪い方面に表れると、人を押さえる力が強すぎて暴走したりするか、あるいは、臆病で何もできないかのどちらかの傾向が表れます。

正財(せいざい)
日干が剋す五行で、陰陽が違うもの。日干甲なら己、乙なら戊が正財。正しい清い考え方を行い、物事の処理を巧みに行う能力がありますので、社会で安定した成功をします。人から好意をもたれ人望が厚いのが特徴です。交際関係も派手ではありませんが、安定したものがあります。着実性と勤勉さが一番の特徴で神経は人よりも細かいです。その能力が悪い方面に表れると、ケチでお金お金といつもお金のことを言っているような傾向になります。また正義感もきれいごとだけになってしまい泥と汗を流す役割を嫌うようになります。

偏官(へんかん)
日干が剋される五行で、陰陽が同じもの。日干甲なら庚、乙なら辛が偏官。分相応のことをやれるタイプで決して無茶な行動はとりません。自分が認めた人間に関しては面倒見が良く親分肌ですが、仕事は徹底し人情をはさむことはありません。荒っぽさがありますが、革新的で豪放的でいわゆるやり手といった人が多く、統率力を生かして出世する傾向があります。その能力が悪い方面に表れると、強引で押しが強すぎて暴言を吐き、強圧的なワンマンといった傾向もあります。また威張って人を見下すようになるか、内気で臆病で何もできないようになるかどちらかの傾向が表われやすくなります。

正官(せいかん)
日干が剋される五行で、陰陽が違うもの。日干甲なら辛、乙なら庚が正官。いわゆる社会や組織でうまくやっていける能力があります。習慣や儀礼などもうまくこなし、理性的であり不正を嫌いますのでリーダの条件が備わっています。根回しなどの政治力や組織の管理能力にたけていますので組織の中では地位と名誉に恵まれる傾向があります。その能力が悪い方面に表れると、自分を押え込みすぎる傾向がでてしまい、保身だけに気をとられ大きく伸びることができないようになってしまいます。人に使われるだけで感謝できずに文句が多く融通性もないといったことにもなってしまいます。臨機応変に対応する能力にも欠けます。

偏印(へんいん)
日干が生じられる五行で、陰陽が同じもの。日干甲なら壬、乙なら癸が偏印。とにかく頭の回転が早く、何事も要領良くやることができます。真心をこめてやるよりも要領を最優先します。積極的に対人関係を広げるタイプではなく、職人、特殊技能の世界で自分のスタイルで生きていきます。知性や感性が中心の生き方ですので実務面はあまり得意ではありませんが、とにかく斬新な考え方をするアイデアマンです。その能力が悪い方面に表れると、将来的なことをあまり考えずに、自分の楽しみや趣味ばかりに熱中し、仕事を最後まで責任をもってやりとげるといったことができない傾向になります。従って何事も不安定で混乱を招き、自己本位になりやすい場合があります。

印綬(いんじゅ)
日干が生じられる五行で、陰陽が違うもの。日干甲なら癸、乙なら壬が印綬。知性、感性、創造、音楽といった学問的・精神的分野で才能を発揮します。実利に関わるのは得意ではありませんが、人気があるため、人から好かれ多くの人脈ができますので、お金に不自由することは年をとるにつれてなくなります。困ったことがおきても人が助けてくれる特徴があります。正直ですので政治的かけひきは得意ではありません。その能力が悪い方面に表れると、他人の助けだけをあてにして、自分では努力しないで楽をしようとする傾向になります。また要領が悪く、努力するわりには実績がでずにイライラすることがあります。お人好しで甘えん坊で言うことが観念的で具体的に欠けるといったようになります。

四柱推命は「十干」でも性格が分かるのですか?

干を主として見る。
※この性格判断は日干を主とし、年干を次として月干、時干は見ない。

甲生まれ
は陽の木で天にそびえる勢いがあり、雄壮。活発でがんばり屋。強い半面怒りっぽりですが考えは深い。

乙生まれ

の木できしみ曲がりながら伸びようとする様子。時に活動的ですが進取の気性にはとぼしい。粘り強さと弾力性があり、弱々しい点もある。

丙生まれ

の火で陽気がさかんな様子。すべて派手好き。権勢を求めて努力するが、粘り強さが足りない。おしゃべり好き。

丁生まれ

の火で陽の中の柔。柔和な中に陽気を含んで外面は静かでも本心は急進的。頭はシャープだが苦労性。

戊生まれ

の土で度量が広く信用があり、信仰心も篤い。表面は派手だが寂しがり屋。世話好きで親分肌。自信家の素質が強い。

己生まれ

の土で規則正しく注意深い性格だが度量が狭い。おとなしそうでいて急に暴発的な行動を取ることがある。

庚生まれ

の金で十干の中で最強。精神が落ち着かず、機転が利くので敏腕家だが、かなりのハッタリ屋。

辛生まれ

陰の金でおとなしくて陰気で偏屈だが、頑固一徹なところがあり、頑張って大事を成すこともある。気苦労が多く、話し上手な一面を持つ。

壬生まれ

の水で、依頼心が強くて怠け癖があるが、才知に優れた活動家。短気だが積極的。異性問題を起こしやすい。

癸生まれ

の木で正直、勤勉だが短気なところがあり、物事を中途でこわす恐れあり。一面、強情だが、情愛には厚いものがある。

「干支」でも四柱推命は性格が与えられているのですか?

月支を主とする。

※この性格判断は月支を主とし、日支を次とし、年支と時支は軽く見る。

子生まれ
楽天的で素直で淡泊な性格。生一本で名誉を重んじる反面、短気で強情なところがある。女性は嫉妬心が強く子だくさんが多いといわれる。

丑生まれ
根は善良で勤勉な人が多い。正直で偏屈、寂しがり屋。気品が高く学芸にすぐれる。性的な魅力がある。

寅生まれ
親切で手堅い性格だが口べた。先見性があり、ロマンチスト。純情で実行力があり頑張り屋。

卯生まれ
おとなしくて愛嬌があり感受性も強く趣味も広範囲。強気と弱気が混じっている。

辰生まれ
飾り気がなく、生一本で感激家。タフで直情的で世話好き。

巳生まれ
頭がシャープで頑張り屋。人に親切だが、短気で怒りっぽい性格。

午生まれ
行動力があり、明朗な反面、頑固。人情に厚く実意がある。何かある度にすぐ感情に表す。積極的だが永続性に欠ける。

未生まれ
おとなしくてやさしい印象だが内心は強くて努力家。きれい好きで神経質。おしゃべり上手で交際家で打算的な一面を持つ。

申生まれ
才気があって交際家。精力的だが飽きっぽく短気で気の小さいところがある。適応性にすぐれ、時にずるさもある。

酉生まれ
先見性があり、計画を立てて行動する。短気でファッションに敏感。仕事熱心だが、飽きっぽい面もある。ムード派。

戌生まれ
責任感が強く努力家で負けず嫌い。正義感でズバリ発言する。一度怒ると他の人の親切な言葉も耳に入らない。

亥生まれ
意志が強く、正直で実力第一主義。物に凝りやすく、熱しやすく冷めやすい性格。研究心も強く合理主義者で人情家。

お問い合わせはこちら