27宿曜占術

弘法大師が中国から持ち帰った宿曜経は平安貴族の間に陰陽道と同じくらいブームとなりました。
27宿曜占術は人間関係や相性の極意です。

真言宗の開祖・弘法大師(空海)と宿曜経

27宿曜占星術のルーツは中東のバビロニア。四柱推命など東洋の占術と違い、生年月日を通し、独特のホロスコープ(占星術における各個人を占うための天体の配置図)を使う星占いです。自分の生年月日から生まれた時の月の位置(月が地球を一周する軌道を27等分したものが「27宿」)を算出し、自分の「宿星」とし、宿星が配置された12宮(西洋占星術の星座のようなもの)にどう影響されているかや七曜(月曜、火曜などの七つの曜日)を年運に応用して年運バイオリズムを示したり、現世での本人の使命、人との相性、日との相性・吉凶を占えます。27宿曜占星術が四柱推命など他の占術と違う魅力は、「三・九の秘法(相性の輪)」を使って毎日の生活に関わる「人との相性」(27×27=729通りの相性)を見たり、毎日の「日との相性」「日の吉凶」がとても的確に判断できることにあります。

ババビロニアが源流であるこの占星術は、インドに伝わって再構築され、中国経由で日本に入ってきました。西暦804年に遣唐使として中国に渡った真言宗の開祖・弘法大師(空海)が唐に留学した際、「文珠師利菩薩及諸仙諸説吉凶時日善悪宿曜経(もんじゅしりぼさつおよびしょせんしょせつきっきょうじじつぜんあくすくようきょう=略して宿曜経)」という仏教経典として入手し、日本にもたらされました。

文珠師利菩薩が携えてきた経典「宿曜経」

この27宿曜占星術のルーツであるバビロニアは、メソポタミア(現在のイラク)南部を占める地域とそこに興った王国(バビロニア帝国)。世界史ではバビロニアの王ハンムラビ(ハムラビ)が発布した法典であるハムラビ法典(「目には目を、歯には歯を」の律法)が有名ですが、もっと重要なことは、現代に通じる天文学や占星術は古代バビロニア文明が構築した数字に裏打ちされた高度な天文学が起源と見られていることです。バビロニアは古代オリエント文明の中で最先端の天文学、占星術が存在しました(中国の十二支の起源もここにあるとの説も有力)。バビロニアの天文学が後にギリシア文明に引き継がれ、西洋の天文学、西洋占星術に展開されていきます。

ババビロニアで生まれた宿曜占星術はインドに伝わり、インドのサンスクリット語から中国語に訳され、中国に入りました。宿曜経のタイトルトップにある文珠師利菩薩(菩薩を意味=サンスクリット語でマンジュスーリ)がバビロニアから中央アジアを通り、インドに下った時、携えてきたのがバビロンの経典「宿曜経」だったとされています。これにかなり近いルーツとされているのが4世紀にインドの天文学者、バラー・ハヒミラが書いた「プリハトサンヒター」という占星術書で、密教占星術の最古原典とされています。

江戸時代に幕府が封印した宿曜経

「宿曜経」序文によると、759年、仏僧の不空三蔵がサンスクリット語の占星術内容を口頭で翻訳し、弟子が翻訳内容を記述して集大成させました。中国で宿曜経として体系化されたこの占星術は空海が入唐した後、日本に持ち帰り、平安時代の貴族階級の間で陰陽道と同じぐらい(陰陽師が恐れるほど)人気を高め、「陰陽師」に対抗して「宿曜師」と呼ばれる専門家も出現。戦国時代には武将たちが敵を戦略的に破るために利用しました。江戸時代には、幕府が宿曜経を封印し、明治以降にようやく日の目を見ることになったのです。その後、真言宗系のごく一部の人々を通して秘伝として伝わり、ここ15年ぐらいで一般的に紹介されるようになっています。

27宿はホロスコープ上で12宮の中で分けられ、一宮に「2宿+1/4宿」がそれぞれ正確に入り、構成されています。12宮は「獅子宮(ししきゅう)=人徳ある勇猛果敢なエリート宮」「女宮(じょきゅう)=病弱な女性的な宮」「秤宮(ていきゅう)=天秤のような公平な財務管理の宮」「蠍宮(かつきゅう)=病気がちで嫉妬深い医療薬剤職の宮」「弓宮(きゅうきゅう)=狙った獲物は逃さない攻撃的な武人宮」「麿宮(まきゅう)=気が荒く冷厳な闘争心ある刑罰司る宮」「瓶宮(へいきゅう)=忠義に厚い強運の勝負師の宮」「魚宮(ぎょきゅう)=出世運ある勤勉忠実な公務・歴史・文書の宮」「羊宮(ようきゅう)=長寿・料理食品の人事管理宮」「牛宮(ぎゅうきゅう)=一族に囲まれて尊敬受ける長寿の宮」「夫妻宮(ふさいきゅう)=恋愛運強い子孫繁栄の宮」「蟹宮(かいきゅう)=弁舌巧みな学識の宮」から成り立っています。

対人関係を見ていく時に絶大な効力を発揮

27宿曜占星術は、太陽の動きから生年月日で判断する四柱推命と違い、月の運行を通して判断するため、人間の表面的な行動や社会的な評価の視点(四柱推命的な分析)ではなく、人間の心の中に秘められた深層心理や感情、日頃は隠されている裏面を浮き彫りにする特徴があります。第一印象だけでは分からない性格の深い部分を見るには優れた占術と言えましょう。

また、対人関係をしっかり見ていく時に絶大な効力を発揮します。ただ、単純に気が合う、合わないというフィーリング的な相性ではなく、勝ち負けの力関係がはっきり出るところが特徴です。勝てない相手とどのように上手につき合っていくか、対処法が分かり、相性論にあいまいな部分がありません。吉凶がはっきりし、切れ味があります。

宿曜は27宿ではなく「牛宿」(斗宿と女宿の間に入る)を加えて28宿との説もありますが、「牛宿」の人物は存在しないので27宿で鑑定していきます。宿曜占星術には、日本式27宿、古唐代28宿、占星学27宿の3流派がありますが、「天地人の27宿曜占術」では、日本人に最もなじんでいる日本式27宿を使って鑑定いたします。

27宿の各宿の特徴(カッコ内のカタカナはインド名)

  • 角宿(かくしゅく=チトラー)…明るく人に好かれる仕事人間
  • 亢宿(こうしゅく=スパアチ)…損得抜きで理想追求する正義派
  • 氏宿(ていしゅく=ヴィサーガ)…豪快で勘の鋭い現実主義者
  • 房宿(ぼうしゅく=アヌラーダ)…派手で財運豊かな人気者
  • 心宿(しんしゅく=ジェエシター)…愛嬌あふれる人心掌握の庶民派
  • 尾宿(びしゅく=ムーラ)…自己を厳しく律する頑固一徹の武勇人
  • 箕宿(きしゅく=プールヴァシャーダ)…子分集めてのし上がる度胸ある親分肌
  • 斗宿(としゅく=ウッタラシャーダ)…元祖になれる知恵多き挑戦者
  • 女宿(にょしゅく=シュラヴァナ)…野心と好奇心旺盛な陰の指導者
  • 虚宿(きょしゅく=グーニシュダ)…先見の明ある波瀾万丈な知将
  • 危宿(きしゅく=シャタビシャク)…美的センスあるピュアな都会派闘士
  • 室宿(しつしゅく=プールヴァ・バードゥバダース)…知恵と実力でのし上がる万能人間
  • 壁宿(へきしゅく=ウッドラ・バードラパダース)…地味でマイペースな清純な堅実派
  • 奎宿(けいしゅく=レヴァティ)…多趣味で好奇心旺盛な理想主義的マルチ人間
  • 婁宿(ろうしゅく=アシュヴィニイ)…友達思いのアイデアあふれるさわやか活動派
  • 胃宿(いしゅく=バラニー)…強烈な自我と好奇心秘めた反骨のカリスマ
  • 昴宿(ぼうしゅく=クリチカ)…損得なく人に引き立てられる聖人
  • 畢宿(ひっしゅく=ローヒニー)…人の役に立とうと陰徳積む気高い働き者
  • 觜宿(ししゅく=ムリガシラス)…自他共に厳しい誇り高き指導者
  • 参宿(さんしゅく=アールドーラ)…舌鋒鋭いうるさ型の革新的アイデアマン
  • 井宿(せいしゅく=プナルヴァス)…家族思いのクールな合理主義者
  • 鬼宿(きしゅく=プシャ)…お人好しで欲の薄い純粋な開拓者
  • 柳宿(りゅうしゅく=アーシュレシャ)…辛抱強く大志を抱く起業家
  • 星宿(せいしゅく=マガー)…度胸座った渋い個性派
  • 張宿(ちょうしゅく=プールヴァ・ファルグニー)…人の才能使いこなす大輪の花
  • 翼宿(よくしゅく=ウッタラ・ファルグテ)…海外運ある人徳の政略家
  • 軫宿(しんしゅく=ハスター)…何事もそつなくこなす冷静緻密な女房役

宿曜経の人間関係・相性の極意(三九の法)

宿曜経で見る宿星の関係は様々な人間関係として示されます。対人関係の吉凶や対処法、日運を見る上では、非常に優れた占術です。人間関係を見る「三九(さんく)の秘法」は自分の本宿星を「命」として逆時計回りの9番目を「業」、18番目を「胎」として各関係を見ます。命、業、胎をそれぞれ起点として「栄、衰、安、危、成、壊、友、親」が続いて配置されます。命から業までが「一・九の法」、業から胎までが「二・九の法」、胎から命までが「三・九の法」で、これらを合わせて「三・九の秘法」と呼びます。関係性を分けてみると、自分とまったく同じ宿星(命宿)、同じグループ(胎、業)、互いに親しく栄える関係(栄親)、似たもの同士の関係(友衰)、勝てる関係や負ける関係(安壊)、異質で依存しない関係(危成)の6種類があり、胎業、栄親、友衰、安壊にはそれぞれ「近距離」、「中距離」「遠距離」の関係があります。

命宿(自分と同じ宿星の相手)

相手を見て、まるで自分自身を見ているような感覚で、お互い長所短所が分かるので、つき合いにくい相手。長期間一緒にいると苦痛を感じてきます。自分の長所が相手の長所、自分の短所が相手の短所と見て我が身を正す姿勢が重要。お互い張り合うケースもあります。ただし、和善宿(觜・角・房・奎)、安重宿(壁・斗・翼・畢)の場合は穏やかな性格の者同士なので大きな波風は立ちません。

胎、業(同じグループ、自分の生まれ変わりや前世や来世と因縁づけられた関係)

徐々に親しくなって徐々に離れていく関係。間をおいて周期的に会う場合は問題ありませんが、結婚や共同事業で四六時中、顔をつきあわせている場合はあまり向きません。自分の前世、来世の姿とも言われ、前世、来世と因縁づけられ関係です。

栄親(栄=自分が栄えさせる関係、親=相手から親しまれる関係 発展する関係、 お互いに親しく栄える関係)

近すぎる隣同士の「栄親」の場合、出会った時から気が合いますが、距離が近すぎて礼儀を欠いたり、プライベートな問題まで首をつっこむことになります。中距離の「栄親」の場合は、バランスが取れて一番問題なく、ずっと親しい関係が続きます。距離が遠い「栄親」の場合、仲は悪くないけれども、あまり接近しない関係。共同事業や結婚にはあまり向いていないでしょう。

友衰(友=相手から友情をもらう関係、衰=自分の運命が衰退する関係 友達になりやすいが似たもの同士で障害も発生しやすい関係、与え合う関係)

友人、恋人としては良い関係。積極的に一緒に組んで何かをやり抜くという深い情関係にはなりにくい傾向です。趣味や興味の対象が共通することが多い反面、異質な部分が浮き彫りになりやすいでしょう。お互い異質な世界、部分をどこまで分かり合えるか、とことん理解できるかが鍵を握ります。共同事業や金銭授受が発生すると関係が歪んでいきます。

安壊(安=勝てる関係、壊=負ける関係)

最も悪い組み合わせ。「安」の何気ない仕草が「壊」の人には非常に重圧として圧しかかります。「壊」の相手と戦っても勝てません。この関係で親友同士のケースもあり、仲が悪いというよりも運の組み合わせが悪いとの解釈もあります。「安壊」の関係で商売を始めても運のアンバランスから失敗する可能性が高いでしょう。近距離の場合、名コンビになるケースもあります。お互い自立した関係ならば問題ありません。中距離の場合は、深く知り合うに従って次第に強い反発心を抱いてきます。遠距離の場合、破壊作業が出るのが遅いですが、一回その作用が出てしまうと修復は非常に困難になります。

危成(危=相手から危険を及ぼされる関係、成=自分のすることが成就する関係 異質なものに惹かれ合って発展する可能性のある関係、依存しない関係)

まったく異質な宿同士でお互いにない持ち味があって惹かれあう関係。基本的に親しみを感じるレベルまで行きません。お互いの役割をはっきり分かれて尊重し合う、相互依存の関係ならば面白い組み合わせとなります。本命の真反対にある遠距離の危成は、出会うと急激に吸引力を発揮して、男女の恋愛では一気に燃え上がっていくことが多い。しかし、異質な者同士なので熱が冷めたらキッパリと別れてしまうこともあります。少し時間を置いて相手を良く知ってから物事を推し進めた方が良いでしょう。

※相性で最も重要なのは、これら宿曜占星術の人間関係を知った上ですべての宿に対してサラサラとした交流ができることです。いかに相手に合わせることができる自分自身になるかを自問自答し、鑑定結果を見て改善していくことで人間関係がスムーズになっていきます。

宿曜占星術で見る日運

宿曜経は月の運行を基準に旧暦月と旧暦日をもとに星宿を決定し、27日1周期で日運の吉凶を見ていきます。吉凶がはっきり出る点が特徴で、人間関係上、運の良い日を選んだり、事故・怪我に注意するには非常に有効です。たとえば、自分の本宿星にとって「安」の関係の日は旅行に適した日となり、嫌いな人と縁を切りたいならば「壊」の日を選びます。人と仲良くなりたい場合は「親」「友」の日を選ぶと良いでしょう。「壊」の日(破壊運の日)は想像を絶するトラブルに巻き込まれたり、アクシデントに見舞われたりしやすい時です。「天地人の27宿曜占術」では一ヶ月間の毎日の開運暦や基本運気、風水暦を鑑定書として閲覧できます。関心のある方は、鑑定を申し込んで開運への道を実感してください。

鑑定内容

  • 27宿から見たあなたの宿命タイプ
  • 宿命内容とあなたの性質
  • 健康運
  • 結婚運と理想の相性
  • あなたと同じ宿星の業界著名人→(A4判の用紙で合わせて1枚)
  • 潜在的な社会的能力(27宿分析)とビジネス能力(深層心理分析)→(A4判の用紙で計1枚)
  • あなたの生涯バイオリズム(大運と年運で分析表示)→(A4版の用紙1枚)
  • 今月、来月のバイオリズム(各月の日毎の運勢バイオリズムを表示)→(A4判の用紙2枚)
  • 27宿による毎日の開運暦と基本運気、風水暦(今月と来月の2ヶ月分、またはお客様が指定した2ヶ月分)→(A4判の用紙で合わせて18枚)

鑑定料金

合計A4判用紙23枚で鑑定料3,300円です。

※相性は相性占いの中に含まれ、別途料金になります)(A4判の用紙で1枚)

主な鑑定項目のご案内

27宿曜占術コース

A4判 約23枚/4,400円(税込)

サンプルは宮崎あおいさん


  • 27宿曜占術の表紙(A4判1枚)

  • 27宿から見たあなたの宿命タイプ、他(1枚)
    ※27宿から見たあなたの宿命タイプ、宿命内容とあなたの性質、健康運、結婚運と理想の相性、あなたと同じ宿星の業界著名人。

  • 潜在的な社会的能力(27宿分析)とビジネス能力(深層心理分析)(1枚)

  • あなたの生涯バイオリズム(大運と年運で分析表示)(1枚)

  • 今月、来月のバイオリズム(各月の日毎の運勢バイオリズムを表示)(2枚)

  • 27宿による毎日の開運暦と基本運気、風水暦(今月と来月の2ヶ月分)(18枚)

上にご紹介したコースのほか、数多くの鑑定コースがございます。
詳細は「運勢鑑定の流れ」をご覧ください。

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